神の救い

 ある男がいた。男は信仰に厚く、神を敬愛していた。とある日、男の住む村が洪水にみまわれた 隣人たちが慌てて逃げ出す中、男はひとり「神を信じて待つ」と言って自分の家に留まった 水は足首まで浸かってきた。

 そのとき、隣人が「俺のラクダに乗って一緒に逃げよう」と言った。しかし男は「神を信じて待つ」と隣人を追い払った。そしていよいよ水は腰まで浸かってきた。そのとき舟で通りかかった青年が「この舟にはまだ一人乗れる。一緒に逃げよう」と言った しかし男は「神を信じて待つ」と青年を追い払った。やがて水は首まで浸かり、男はそのまま溺れて死んだ。

 死んだ男は神の前でこう叫んだ。「神よ!なぜ私を助けてくれなったのです!私はあなたを信じて待っていたのに!いつも熱心に祈っていたのに!」と。すると神は言われた。「何を言う。私は何度もお前を救おうとしたではないか。隣人も、ラクダも、舟も、お前に遣わしたではないか」と。

さ、そろそろ戻ろう・・・ inserted by FC2 system